意外と知らない!?日本国内の水問題・水災害【2019年】

意外と知らない!?日本国内の水問題・水災害【2019年】

2019年に日本で起きた水問題や水災害をご存じでしょうか。今年は豪雨や大型台風など、自然災害により被災を余儀なくされた方たちが沢山いました。平成に入り私たちの暮らしは日々発展を続けています。しかし今後地球環境を守り水の豊富な未来を目指していくには、課題も多いのが現状です。

日本の水資源

私たちが生活する上で必要不可欠なもの、それが水です。日本の水資源となるのは、川の水。川の水はそもそも降った雨や雪解け水が流れたものです。

川の水は有害な物質や菌などが多く含まれているため、浄水場などの施設を通します。高い技術を持ち徹底的な管理が行われているからこそ、安全な水が私たちの元に届けられるのです。

しかし降った雨や川の水が全て使える水となるわけではありません。日本の山は傾斜が急で河川は短いものが多いです。上流で降った雨は川から海へ出てしまうため、水を多く蓄えられません。日本にこれだけ多くのダムが作られたのは、不利な地形による水不足を防ぐためです。

日本は水が豊かな国なのか、今後水不足に悩まされる未来は訪れるのか、2019年に起きた水問題や災害と合わせて見ていきましょう。

2019年に起きた日本国内の水災害

九州北部記録的大雨

8月27日から佐賀県・福岡県・長崎県を中心とする九州北部で発生した集中豪雨です。各地で観測史上1位の降水量を記録し、気象庁は29日に3県に対して特別警報を発表するほどの大雨となりました。

河川氾濫や土砂災害も起こり、雨のピークを終えた後も連日復旧作業に追われ、多くの人が被災を余儀なくされた災害に。

秋は局地前線が発生したり、秋雨前線と台風が組み合わさったりすることによって、このような台風が発生することが頻繁に見られます。

千葉県豪雨

千葉県豪雨は、10月25日に千葉県を中心に被害を発生させた豪雨災害です。

この豪雨では平年10月の1ヶ月分の雨が、わずか半日で降りました。記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。

千葉県では9月にも台風15号により大きな被害を受けた地域が沢山あります。そしてその後、豪雨によりさらに被害は拡大され、未だ復旧が進んでいない地域も。

千葉県で11人、福島県で2人が死亡するなど記録に残る豪雨となりました。

台風10号

台風10号は8月15日、お盆休みを直撃した台風です。

広島県に上陸後、中国地方を縦断して西日本を中心に大きな被害がみられました。また台風10号では、約9,700戸が一時停電し、お盆休みに合わせて開催予定だったイベントなどにも影響が出ました。

新幹線と空の便でも運休や欠航が多発し、お盆休みのUターンラッシュと重なったことで、多くの利用者が帰宅難民になってしまったニュースを目にした方も多いのではないでしょうか。

台風15号

台風15号は9月5日発生し、観測史上最強クラスの勢力で千葉市付近に9日上陸した大型台風です。

関東各地で記録的な暴風となり、死者重軽傷者合わせて90人以上に。連日報道番組でも取り上げられ、日本人にとって非常に胸を痛めた災害になりましたね。

千葉県市原市で起こったゴルフ場のポール倒壊や、大規模な停電に断水、在来線や空の便の運休と欠航、沢山の被害が相次いだ台風です。

政府はこの台風による被害を激甚災害に指定しました。

台風19号

台風19号は、10月6日にマリアナ諸島の東海上で発生し、12日に日本に上陸した台風です。

関東地方、甲信地方、東北地方で記録的な大雨に。この台風では約42年振りに「台風の名称を定める基準」が適用され「ハギビス」と命名されました。

台風の名称を定める基準は、損壊家屋等1,000棟程度以上または浸水家屋10,000棟程度以上の家屋被害など、著しい被害が発生したケースが条件となります。命名されたことからも、非常に大きな台風であったことがわかりますね。

2019年日本国内水問題の現状とは

2019年は大雨や台風により、水が増えたと思う方も多いでしょう。

確かに日本では雨により河川の水が増えることで使える水が作られます。ダムより上流で雨が降ると雨水を貯めやすく、山の土が雨水を吸うことで地下水としても蓄えられます。

しかしほとんどの場合、ダムより下流で降った雨がすぐ海に流れてしまったり蒸発してしまったりします。実際に使える水の量というのは、降水量の約20%程度しかないのです。

2019年の水災害は、都市部を中心に起きたことで大きな被害が相次ぎました。上流の山と違って沢山の雨水を吸収する土壌が少ないため、水不足の解消には繋がりにくいというわけです。

日本の水問題は将来どうなっていく?

そもそも水不足の原因となるのは「人口の増加」と「地球温暖化」によるものです。日本は現状、目立った水問題はないように思えます。しかしこの先の未来はどうなっていくのでしょうか。

人口増加による水不足

日本は人口が減少していますが、世界的には人口が増え続けています。2019年現在の人口は約77億人、2025年まで人口増加が続けば約97億人を越えることが予想されています。20億人も人口が増えれば、その分必要な水が増えるということです。

また必要になるのは生活用水だけではありません。人口の増加に伴い食糧を生産するための水も必要になります。農業や産業でも多くの水が必要に。人口が増加するのは水不足の大きな原因となるのです。

地球温暖化による水不足

最近では地球温暖化の影響により、年ごとで降水量に開きがあります。

2019年は雨が多かった年となりましたが、2020年以降どうなるかわかりません。雨が少ない年が続けば、各地で渇水が起こる可能性も充分にあります。私たちが使える水の量は、降水量によって左右されるのです。

また地球温暖化による問題は水不足だけではありません。地球の気温が上がると川の水となる雪解け水も減ります。さらには水温が上昇することにより、水の循環が留まり生態系によるプランクトンの増殖などから、水が汚染されたり水質が悪くなったりしてしまいます。

こうした環境問題に対して日本では様々な対策や活動を行っていますが、私たち個人でも未来のためにできることを常に意識して、取り組んでいく必要があるのです。

日本の水を守るために私たちができること

政府や自治体の活動だけでは、今後日本の水を守っていくことはできません。私たちが決して他人事だとは思わず、積極的に取り組みをしていくことが大切です。

まず私たち日本人は、水を無駄遣いしているという自覚を持ちましょう。日本は水が豊かな国だという勘違いから、必要以上に水を多く使っている人が多いのが現状です。

水道の水を出しっぱなしにしてしまっている、洗濯を何回にも分けて行っているなど、心当たりはありませんか?水資源は無限にあるわけではないという自覚を持って、無駄遣いはやめるよう心がけてください。

また環境を守っていくことも大切です。省エネを心がけ不要な電気は使わない、買い物ではマイバックを使う、環境に優しい製品を使うなど、ちょっとした心がけが地球温暖化を防ぐことに繋がります。

日本の水を自分たちの手で守っていこう

2019年は多くの災害が起きました。そして日本の水問題も、年々深刻なものとなっていくことが予想されています。

日本人にとって蛇口から安全な水が出てくることは当たり前となってしまっていますが、世界には様々な水事情や問題を抱えている国々があることを忘れないでください。そして日本もいつ、水不足に悩まされる日が来るかわかりません。

私たち大人が未来を担う子供たちの見本となって、積極的に水を守る活動に取り組んでいきましょう。

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