断水中のトイレは流さない方が良い?災害時に役立つ備えと注意点

2019年は全国的に台風や豪雨による大きな被害が続き、断水中のトイレの使い方について感心が集まっています。そこで今回は断水中のトイレの使い方や事前の準備、さらには災害時の注意点などについてご説明したいと思います。
目次
断水は事前に準備して備える
今年起きた台風や豪雨はメディアでも大きく報道され、事前に対策しておくようにと注意喚起がありました。自然災害は他人事だと思わずに、しっかり備えておくことが大切です。ここでは断水になることが事前にわかっている場合、どう備えるのかを見ていきましょう。
浴槽に水を貯める
当たり前ですが、断水すると水道やお風呂など全ての蛇口から水が出なくなります。そうなるともちろんトイレも流せません。断水中でも生活用水が必要になります。そこでおすすめなのが、浴槽に水を貯めて備える方法です。
普段は水が出ることが当たり前に感じますが、断水すると予想以上に水がないことへの不便さを実感します。トイレはもちろん、顔を洗ったり歯を磨いたりするのにも水が必要です。台風や豪雨の予報が出ているときは、浴槽いっぱいに水を貯めましょう。
浴槽に貯めた水を飲料水だと勘違いしてしまう方もいらっしゃるようですが、飲み水ではなく生活用水として使って下さい。
浴室や浴槽はこまめに掃除をしていても水分を全てふき取ることは難しく、目に見えないカビが発生していることもあります。肌に触れる分には支障がなくても、口に入れるのはおすすめできません。体調を壊す原因になる可能性があります。
飲料水を確保する
生活水は浴槽に貯めた水を使いますが、飲料水は別に確保しておきましょう。
理想としては常日頃から災害への意識を高く持ち、ミネラルウォーターなどを多めに用意しておくことです。
今年起きた災害では多くのスーパーやコンビニで、水や食料が欠品している報道がありました。日頃からきちんと災害対策をしていれば、断水しても当分は飲料水や食料に困ることはありません。
もし間に合わなかった場合は、空のペットボトルやヤカンなどに浄水器を通した水、または一度沸騰させた水を貯めましょう。
蛇口を確認する
家中全ての蛇口が閉まっているか、忘れずに確認しましょう。
断水は予定よりも早く復旧することがあります。油断して蛇口を締め忘れていると、水が流れたままになってしまいます。
キッチンや洗面所、忘れやすい洗濯機の元栓になっている蛇口も全てきちんと締めましょう。
断水中のトイレの使い方
今回多くの人から注目を集めた、断水中のトイレの使い方。ネットでは「タンクが爆発するから流さない方が良い」という意見も出ていますが、実際はどうなのでしょうか。ここからは断水中のトイレの使い方について見ていきましょう。
トイレは流さない方が良い?
基本的に断水中トイレを流さない方が良い、ということはありません。しかし例外もあります。それは地震や水害などの災害により、排水管が壊れてしまっている場合です。
理由は水洗トイレを使うと、汚水が溢れたり逆流したりする危険性があるからです。
マンションなどの集合住宅の場合は特に注意が必要です。汚水が溢れて他の住民から損害賠償を請求されるなど、思わぬトラブルを招きかねません。
排水管の安全が確認できるまではトイレは流さず、携帯用トイレなどでしのぎましょう。
断水中のトイレの流し方
トイレを流す際に必要なのは、5~8リットル程度の水が入ったバケツです。
水飛びに注意しながら便器に水を流して下さい。そしてその後さらに3~4リットル程度の水を流します。2回水を流すのは、洗浄後に便器に残る悪臭を防ぐためです。
この水量では汚物を流すことができても、排水管に残ってしまうことがあります。そのため2~3回に一度は、バケツ2杯程度の水を流すようにして下さい。
トイレによってはオートの洗浄や開閉機能が付いていますが、これらのオート機能はオフにしておきましょう。
トイレが爆発するのは本当?
トイレメーカーによると、災害の被害による爆発や破裂はないと発表されています。
しかし断水復旧後は、空気の圧力や小さな砂などの異物に注意する必要があります。トイレよりも先にキッチン水栓や洗面所の水栓から水や異物を流して、空気を抜きましょう。
実際に断水復旧後にトイレが破裂したケースが発生しているので、覚えておきたい知識のひとつです。
断水中に節水できる水を使わないアイデア
数日断水が続いたり、多くの生活用水を必要とするご家庭の場合、給水所に通い水を確保する負担は相当大きなものです。断水中はできるだけ節水を心がける必要があります。そんな時に役立つ、水を使わないアイデアをご紹介します。
食器にラップを巻く
普段なら使った食器は毎回洗うものです。しかし少しでも節水したい断水中は、食器にラップを巻いて使いましょう。
ラップを巻けば食器は汚れませんし、ラップを交換するだけで毎回お皿を洗う必要がありません。
ビニール手袋を着用
普段は気にかけていなくても、私たちは日ごろ1日に何度も手を洗っています。しかし断水時はできるだけ手を洗う回数を減らして節水したいものです。
掃除や料理をする際は、ビニール手袋やゴム手袋を着用しましょう。使い捨てタイプの手袋を着用すれば、手が汚れても取り換えれば良いだけなのでストレスも感じにくく衛生的です。
ウェットティッシュを用意する
断水中は毎日のように洗顔をしたりお風呂に入ったりすることが難しくなります。そんなときはウェットティッシュで体の清潔を保ちましょう。
赤ちゃんのおしり拭きはサイズが大きい上に低刺激で肌に優しいため、体や顔を拭くのにおすすめです。
手を洗いたいときや汚れを拭き取りたいときにも便利なので、ウェットティッシュは多めに購入して備えましょう。
災害時にはウイルスや菌が発生するケースもあります。除菌効果が高いアルコールタイプも用意しておくと安心です。
災害時の注意点
災害が起きたときどんなことに注意して行動すれば良いのか、事前に知っておくことで万が一のときに役立ちます。ここからは災害時の注意点について見ていきましょう。
避難場所や経路を確認
災害時は避難が必要になることもあります。事前に近隣の避難場所や経路までを確認しておきましょう。
災害によってパニックになってしまうこともあります。落ち着いて行動ができるように、休日などに避難場所まで実際に歩いて、経路を確認することをおすすめします。
家具の配置などを確認
地震などの揺れが起きたときに家具が倒れてこないか、避難路をふせいでしまうものはなかなどの確認も大切です。
ホームセンターなどで売っている固定用の金具を使って、家具を固定させてしまうのがおすすめです。また安全に考慮して家具を再配置するなど、対策を行いましょう。
備蓄品の確認
食料や防災グッズなど、備蓄品の確認も忘れないようにしましょう。
水や食料などの備蓄品は、最低でも年に1度は賞味期限が切れてないかを確認して下さい。また懐中電灯やラジオなどは電池残量があるか、故障していないかの確認も必要です。

