水力発電は日本に合う?仕組みをわかりやすく解説

水力発電は日本に合う?仕組みをわかりやすく解説

水力発電は、昔から日本の電気を支えてきた存在であることをご存知でしたか?名前の通り、水の力を使って発電する方法です。今回はそんな水力発電の仕組みや種類、さらにはメリット・デメリットについてわかりやすく解説致します。知っていると誰かに話したくなる内容ですよ。

水力発電とは?

水力発電とは、水の力を用いて電気を作る発電方法のことをいいます。

自然の原理を利用する水力発電は、古くから私たちが暮らす日本の電気を支えてきました。現在における日本の発電方法の割合は低いものの、安定した発電を今でも行っています。

日本は河川などの自然が多く、水資源が豊かな国ですよね。日本で初めて水力発電が生まれたのは、明治25年のこと。京都府で初めての水力発電所が建設されました。(正確な記録がないため諸説あり)

そして戦後、電力需要が高まったことにより水力発電用のダムの建設も相次ぎ、長年日本では水力発電が使われてきたのです。

環境汚染が問題視される近年、再生可能エネルギーである水力発電は再び注目を集める存在となっています。

ではどのようにして、水の力で電気が作られるのでしょうか。

水力発電の仕組み

水を高いところから低いところへ流すと、位置エネルギーが生まれます。水力発電はそのエネルギーを使って、発電する仕組みです。

高いところから勢いよく水を流し、中に設置された発電用のポンプ水車の回転で発電機を動かすことによって、電気が作られるのです。水が流れる勢いが強ければ強いほど、また水量が多ければ多いほど、大きなエネルギーが作れます。

簡単にいうと、河川やダムから低いところへ流れてきた水を、水車の動く力と水が流れる勢いを利用して発電機を動かす、ということです。

水車は電気やエンジンがなかった時代、動力を得るためのとても実用的なものとして使われていました。日本でも平安時代にはすでに使われていたと言われています。

その水車の力と水の勢いを使って発電が可能なため、再生可能エネルギーとして水力発電は環境に優しいものなのです。

水力発電は河川からそのまま水を流れ込ませる方法や、ダムを使った方法などがあります。

水力発電の種類

水力を発生させる方法は、大きく分けると構造物と運用方法で分類できます。それぞれ水力の発生方法や特徴について見ていきましょう。

構造物での分類

まずは水路式・ダム式・ダム水路式について説明いたします。

ダム式

河川から流れ込む水をダムによってせき止めて、ダムの真下に発電所を作ることで落差を用いて発電をする方法です。

水力発電と聞くと、真っ先にダムを思い浮かべる人も多いかもしれませんね。ダムから噴出した水をそのまま使うのではなく、実際にはパイプの中を通ってダムの下にある発電所の水車を回転させて電気を作ります。

ダム式はダムの水量よって落差が変わってしまうため、ダムの水が減るとエネルギーも減ってしまいます。

水路式

河川の上流に小さなえん堤をつくって水を受け入れ、長い水路を通して落差ができているところまで水を流して発電をする方法です。地形の落差を利用するため、落差が大きくとれる場所に好適な方法です。

ダム水路式

ダム式と水路式を組み合わせた発電方法が、ダム水路式です。

ダムの水は、水路を使って落差のあるところまで導き発電をします。ダムで大きな落差を作るとコストが多くかかってしまうため、ダム水路式はダム式よりも小さなダムを作ることで、コストを抑えられる特徴があります。

運用方法での分類

次に流れ込み(自発)式、調整池式、貯水池式、揚水式について見ていきましょう。

流れ込み式

川から流れた水をそのまま使い、発電する方法です。河川の水量によって発電量が左右され、ほとんどコントロールができないことから、小さな水力発電所で使われています。しかしの分コストを抑えられ、環境への負担も少ないというメリットもあります。

調整池式

比較的小規模なダムに河川から流れた水をせき止めて、発電をする方法です。

発電量を増やすため、昼間などの消費電力の多い時間に水を多く流します。また1日から数日間の短期間で変動に合わせた水量調整ができるため、環境への負担も少なく済む発電法です。

貯水池式

夏や冬は消費電力が多くなるため、充分な水量を確保する必要があります。そこで水が豊かで消費電力も少ない時期に、ダムに多くの水を貯めておくのが貯水池式です。

安定した発電量が確保できるものの、巨大な設備を必要とするため、周囲の環境への影響は大きくなります。

揚水式

上流と下流それぞれにダムを設置し、ダムの間に水を流すことで発電ができる方法です。

夜間や休日の昼間など、電力需要の少ない時間帯に上流のダムに水を逆流させ、電力需要がピークの時間帯にその水を使って発電を行います。そのためピーク時にも河川の水量の影響を受けず、安定した発電が可能です。

水力発電のメリット・デメリット

今でも日本の電気を支えている水力発電。ここからは水力発電を使うことによるメリットとデメリットについて解説いたします。

メリット

まずはメリットについて見ていきましょう。

再生可能エネルギーとして環境に優しい

先述した通り、水力発電は再生可能エネルギーです。発電に使われた水は、蒸発して雨となり再び自然に還ります。

再生可能エネルギーとは、太陽や風力など地球資源の一部で常に自然界に存在するエネルギーのことをいいます。石油や天然ガスといった化石エネルギーとは違い、環境に優しいエネルギーなのです。

また同じ再生可能エネルギーでも、太陽光や風力を使った発電は天候に左右されてしまいます。それに比べて水力発電は、水量が不足しない限り水を貯めておくことができ、安定した発電が続けられます。再生可能エネルギーの中で最も安定して発電できるのも特長です。

他の発電法よりもコストを抑えられる

水力発電は他の発電法と比べて、維持管理にかかるコストを抑えられるというメリットもあります。

例えば火力発電には燃料となる石油や石炭、原子力発電にはラウン燃料などが必要になりますが、水力発電は河川の水を使うので燃料費がかかりません。また設備の管理や維持にかかるコストも、他の発電法と比べて安く済みます。

エネルギー交換効率が優れている

エネルギー交換効率とは、名前の通りエネルギーを別のエネルギーに交換する効率のことです。水力発電は水が流れたときに生まれる位置エネルギーと運動エネルギーを、少ない損失で電気へと変えられます。その交換効率は80%と、数字を見ても非常に優れていることがわかります。

デメリット

続いてデメリットについて説明いたします。

発電量が降水量に左右される

デメリットの1つが、発電量が降水量に左右されるという点です。

降水量が減れば発電に必要な河川の水も減ってしまいます。雨が降らない日が続けば、最悪発電ができない事態になることも。

日本は水資源が豊かな国だといいましたが、地球温暖化が進む近年、今まで同じように十分な水資源が確保できるのかという問題も浮上しています。水力発電にとって降水量の変動は、今後の課題となる日も近いかもしれません。

ダム建設による費用や環境への問題

水力発電に使われるダムの建設にかかる費用や、環境面の問題もデメリットとしてあげられます。

大規模に発電をするとなると、ダムを使った発電が必要です。しかしダムを建設するには、莫大な費用がかかりますよね。維持管理コストは抑えられる水力発電ですが、ダム式を使った場合初期費用が多くかかるというデメリットも。

また、ダムの建設には周辺の環境に影響を与えるともいわれています。ダムの建設により砂がダムにせき止められ、下流の砂が減ったことによって砂の中で生活する生物が減少した、との報告もあがっています。

このように水力発電に必要なダムを建設するのは、安易なことではないのです。

日本に合う?水力発電の現状と今後

日本は自然豊かな国であり、水資源も多いですよね。また起伏に富んだ山が多いため、落差を利用する水力発電に向いている地形です。そのため日本に合った発電方法と言えるでしょう。

また近年は、ある程度の水の流れと落差があれば場所を問わず発電可能な、小水力発電(マイクロ水力発電)も見直されています。小水力発電は大型の発電所のように環境への影響も少なく、従来の水力発電のように天候に左右されたりCO2が排出されたりすることもありません。

小水力発電がデメリットをどれほどカバーできるかによって、今後の日本における水力発電の割合も、変わってくることでしょう。

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