「世界の水の価格」収入の半分が水代に消える国も

「世界の水の価格」収入の半分が水代に消える国も

世界の水の価格には、大きな差があることをご存じですか?3月22日世界水の日にウォーターエイドが発表した報告書によると、収入の半分が水代に消える国もあることがわかりました。

私たちが暮らす日本はいつでも安全な水が安価で手に入ります。しかし世界を見ると、高いお金を払って水を買う、水道が使えない、汚染された水を飲む、そんな問題に苦しんでいる人々もいるのです。

3月22日世界水の日「水はいくら?-世界の水の状況」

途上国の水や衛生問題に取り組んでいるNGOウォーターエイドは、2016年3月22日の世界水の日に「Water: At What Cost? The State of the World’s Water(水はいくら?-世界の水の状況)」という報告書を発表しました。

この報告書では「1日の収入に対する50リットルの水の価格の割合」が記載されています。なぜ50リットルなのかというと、WHOが定めた1日に最低限必要な水の量だからです。50リットルあればトイレを5回洗浄でき、シャワーは5分間使えます。そんな50リットルの水の価格は、世界各国によって大きな差があるのです。

出典:「Water: At What Cost? The State of the World’s Water(水はいくら?-世界の水の状況)」(Water Aid)

私たちが暮らす日本では水道から安全な水が出て、飲むこともできますよね。それにも関わらずわざわざ水を買って飲む人もいます。それは水が高いと感じたことがないからではないでしょうか。実際に世界の水の価格を見ても、日本のような先進国は安価で水が手に入ります。
しかし世界には、容易に水を手にいれることができない人々も多くいるのが現状です。

「世界の水の価格」先進国と途上国の格差

「水はいくら?-世界の水の状況」に記載されている、世界の水の価格と1日の収入に対して水代が占める割合を見てみましょう。

地域 価格
(50リットル)
1日の収入に対して
水代が占める割合
入手方法
・パプアニューギニア・ポートモレスビ 304円 54% 水宅配サービスから購入
・マダガスカル・アンタナナリヴォ 84円 45% 給水車から購入
・ガーナ・アクラ 74円 25% 給水車から購入
・モザンビーク・マプト 15円 13% 水売り人から購入
・イギリス 12円 0.1% 公式の水道設備

出典:「水の価値とは?」(WaterAid)

日本を含む先進国で水に使うお金は、1日の収入のたった0.1%です。しかし途上国のなかには、収入の半分が水代に消える国もあります。

マダガスカルやガーナでは給水車から水を買うことしかできず、モザンビークでは政府が供給している水の約100倍ものお金を払って、やみ市場で水を買っています。

水は人間が生きていく上でなくてはならないものにも関わらず、価格に大きな格差がある現状です。これだけの差があると、人々にとって同じであるべき水の価値も、違うように感じてしまいますよね。

なぜ大きな格差があるのか

なぜこんなにも大きな格差があるのでしょうか。理由として、1日の収入の割合で見たときに途上国は経済が発達しておらず低所得であることと、水環境が悪く水道インフラが整っていないことが考えられます。

人々が支払う水の価格は、水の総需要、消費者まで届ける輸送コスト、補助金が主な要因となって決められます。さらにはここに汚染物質の除去費用が加わるケースも。

途上国では水環境が悪いためコストがよりかかる上に、水道インフラが整っていないことから、収入に対して水の価格が高いのです。さらにはそこに目を付けた人たちがやみ市場で水を売ることで、需要と供給のバランスから水の価格が上昇してしまいます。

こうした国では低コストで水道インフラを整える必要がありますが、まずは先進国で暮らす私たちがこの現状を知らなくてはなりません。

水道設備が整っているのはごく一部の地域

日本は水に大変恵まれています。水道水が飲める上に、その安全性も高く低価格です。しかし日本のような地域はごく一部。多くの国では水道設備が整っておらず、世界には安全な水にアクセスできない人が6億5000万人以上もいます。

ウォーターエイドは2020年世界水の日に公開した報告書で、激しい干ばつや度重なる台風などによって、気候変動に弱い国では給水システムに破壊的な影響が出る、と発表しました。こういった国ではすでに水問題が起きており、より一層悪化することが懸念されているのです。

悪化が進むとこれまで使っていた水源も渇水してしまい、ただでさえ時間のかかっていた水くみにより時間がかかることになります。働く時間、学校に行く時間が減るとさらなる貧困にも繋がることでしょう。

私たち日本人が使っている水道水、トイレやお風呂といった水道設備を当たり前に使うことができず、病気や貧困に苦しむ人々が世界にはいます。私たちは安全な水が手に入るありがたみを、決して忘れてはいけません。

日本人は水を使い過ぎている

WHOは「1日で最低限必要な水の量は50リットル」と発表している、と先ほど説明しました。私たち日本人が1日でどれくらいの水を使っているか、ご存じですか?

日本人の1日の水使用量は飲料水を除いて、平均200~300リットルです。50リットルはこの17%にしか及ばず、私たちが50リットルの水のみで1日生活しろと言われても、難しいでしょう。実は200~300リットルの水使用量は、世界平均の約2倍。日本人は水を使い過ぎているのです。

確かにお風呂やトイレが当たり前のように使える環境で水を多く使ってしまうのは、仕方がないことかもしれません。しかしながら水の無駄遣いは、将来の水不足に繋がってしまいます。地球温暖化が進む今、同じように水を使い続けていてはいずれ水資源も枯れ、水不足に悩まされてしまう日が訪れます。

1日に必要な生活用水は何リットル?STOP!水の無駄遣い!

水不足、水の価格高騰は他人事ではない

このまま水の無駄遣いを続けていれば水資源は減り、水不足や水の価格高騰は避けられません。決して他人事ではないということです。

私たち日本人は、いつでも安全な水を安価で手にできます。そのため水のありがたみを忘れてしまっている人もいるかもしれません。しかし水の価値は、どの国の人々にとっても同じであるべきではないでしょうか。水が使える現状を当たり前と思わずに、水を大切にして資源を守っていきましょう。

「世界の水の価格」収入の半分が水代に消える国も
フォロー

この記事を気に入っていただけたら
フォローをお願いします。

サラスティア PV

記事のカテゴリー

  • サラスティア

  • ライフ

  • 水問題

  • コラム

PageTop