冬は「じわじわ脱水」に注意!乾燥対策と水分補給で予防を

冬は夏と並んで、脱水症が起きやすい季節です。汗で大量の水分が奪われる夏の脱水症とは違い、冬は乾燥や水分補給不足が原因となりじわじわと、体の水分を奪っていきます。放っておくと命に関わる危険な病気を引き起こすことも。冬の脱水対策に大切なのは、乾燥対策と適切な水分補給です。
目次
冬に起こる「じわじわ脱水」とは
冬に起こるじわじわ脱水とは、乾燥や水分補給不足が原因で体内の水分がゆっくりと失われていくことです。脱水症は夏に起こるもの、というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。だからこそ油断しやすい季節であり、夏よりもさらに注意が必要です。
脱水で見られる症状 | |
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軽度な症状 | めまい、たちくらみ、多汗、こむら返り(足がつる)など |
中度な症状 | 汗や尿の減少、頭痛、吐き気、全身の倦怠感など |
重度な症状 | 意識障害、けいれんなど |
重度な症状が起きてしまうと、命に関わり非常に危険です。じわじわ脱水が進む冬の脱水症は、自分や周りも気付かずに発見が遅れてしまうことも。すると処置や治療も遅れてしまいますから、ちょっとした体の異変も見逃さないようにしましょう。
じわじわ脱水のセルフチェック
冬の脱水症は、自分でも簡単にチェックすることができます。
- 親指の爪をおした後白からピンクに戻るまで3秒以上かかる
- 手の甲をつまんだあと皮膚の盛り上がりが戻るまで3秒以上かかる
- 舌を出すと渇きが気になる
- 尿の回数がいつもより減っている、色が濃い
- 握手をしたとき手が冷たい
体調不良に加えて上記いずれか1つでも当てはまるものがあった場合、脱水症にかかっている可能性があります。その場合は放置せず、医療機関に相談しましょう。
なぜ?冬に脱水症状が起きる原因
先述した通り、冬の脱水は乾燥や水分補給不足が原因です。ここからは2つの原因を具体的に見ていきましょう。
外気が乾燥しているから
冬は乾燥した気候が続きますよね。湿度が低いと、体内の水分は失われやすくなります。そもそも水分が失われるのは、汗や尿だけではありません。皮膚からも水分は蒸発して体外へ排出されます。蒸発する水分量は湿度が高い季節と比べて、乾燥しやすい冬により多くなるため、脱水症状が起きやすくなってしまうのです。
体内の水分は目に見えなくても失われている、ということですね。さらに冬は水分が失われてるにも関わらず、補給する水分量が減る傾向にあります。
夏と比べて水分補給が減るから
夏は汗をかくため喉が渇きやすく、水を多く飲むと思います。また脱水症と熱中症対策として意識的に水分補給をしますよね。一方で冬はどうでしょうか?夏と同じように水分補給をする、という人は少なく思えます。
人間の体のほとんどは、水でできています。健康な体でいるためには、その水分量を保たなくてはなりません。冬は体内の水分がじわじわと失われていくのに対して、汗もかかず喉も渇きにくいため、体に必要な水分を補給する機会が減り、脱水症を起こしやすくなるというわけです。
また冬は体を冷やさないために、お水ではなく暖かいお茶やコーヒーなど、カフェインを含むものを飲む機会も増えますよね。しかしながらカフェインが含まれた飲み物には利尿作用があるため、飲んでも尿として排出されてしまいます。
そのため水分補給としては相応しくありません。お茶やコーヒーを飲んでいるから水分は補給できている、という勘違いも脱水症を引き起こす原因を作ってしまいます。
冬の脱水症を予防する方法
冬の脱水症を予防するには、乾燥を防ぎ適切な水分補給をすることが大切です。簡単にできることですから、ぜひ今日から始めてみましょう。
部屋の湿度を高める
お部屋の湿度を高めて乾燥対策をすることで、脱水症の予防に繋がります。冬は外気が乾燥していてただでさえ部屋の湿度が下がりがち。その上暖房器具などを使うことで、さらに屋外よりも10~20%湿度が下がってしまいます。乾燥したお部屋のなかにいると体内の水分もじわじわと失われ、脱水症を引き起こしてしまう危険性があるのです。
加湿器を置いたり、洗濯物を部屋に干したりなどして、お部屋の湿度を50~60%に保てるようにしましょう。
加湿器は置く場所によって加湿効率が変わります。正しい加湿器の置き方はこちらの記事を参考にしてみてください。
こまめな水分補給を意識する
乾燥を防ぐだけでは十分な脱水症予防とは言えません。こまめな水分補給を意識することも必要です。普通のお水をコップ1杯分(200ml)ずつ、喉が渇いていなくても飲むようにしましょう。ベストなタイミングは、以下の通り。
- 朝起きたら
- 入浴後
- 夜寝る前
- 汗をかいた後
寝起きや入浴後はたくさん汗をかきますし、寝ている間にも汗をかくため夜寝る前の水分補給も必要です。あとは気付いたときにもコップ1杯分の水を飲み、1日1.5~2リットルを目安にしてください。
また脱水症の予防や解消には、塩分補給も効果的です。気軽にできる塩分補給は、スポーツドリンクや経口補水液を飲むこと。もしめまいやたちくらみなどの症状が出ているときは、経口補水液を飲みましょう。スポーツドリンクと比べて塩分濃度も高い上に、塩分の吸収スピードも早いです。
予防ならスポーツドリンクでも十分ですが、脱水症の症状が出ているときには経口補水液が最適といえます。
最近はコロナの影響でマスクを付ける生活ですが、実はマスクをしていると水を飲む回数が減る傾向にあるんです。そのため今はより意識を高めて、水分補給を忘れないようにして脱水症予防をしてくださいね。
乾燥対策と水分補給が予防の鍵!
乾燥しやすい冬の脱水症はじわじわと、体の水分を奪っていくのが特徴です。そのため自分自身で水分が足りていないということに気付かず、水分補給も忘れがちに。体内の水分が失われているにも関わらず水分を補給してあげなければ、脱水症になるのは当たり前のことですよね。
そんな冬のじわじわ脱水には、何よりも乾燥対策と水分補給が大切。事前に防げることが一番ですが、もし脱水症のような体の異変が現れた場合はゆっくりと水分・塩分補給をして休息をとり、それでも改善しないときは医療機関に相談をしましょう。今回ご紹介した内容を参考に、元気な冬を過ごしてくださいね。

