世界各国の”いい水”の基準とは?日本と海外の”いい水”の違い

世界各国のいい水の基準とは、何なのでしょうか。日本は水質基準が高く、安心して水が飲める国です。実は世界で水を飲める国は15か国しかありません。そのなかでもいい水の基準というのは、国によって違いがあります。今回は各国のいい水の基準や、日本と海外の水の違いについて解説いたします。
目次
【水質基準】日本は最も厳しい数値!

日本は水質基準が厳しく、各都道府県でも独自の基準を設けるなどして、安心安全な水を提供しています。
日本とWHO・アメリカEPA・EUの水質基準を比較してみましょう。
大腸菌
WHO | 100mL中に検出されてはならない |
アメリカEPA | 5%以下 |
EU | 100mL中に検出されてはならない |
日本 | 検出されないこと |
水銀
WHO | 0.001mg/L |
アメリカEPA | 0.002mg/L 無機水銀として |
EU | 0.001mg/L |
日本 | 0.0005mg/L |
ヒ素
WHO | 0.01mg/L |
アメリカEPA | 0.05mg/L |
EU | 0.01mg/L |
日本 | 0.01mg/L |
数値を見てわかる通り、全ての項目において日本は最も厳しい基準を設けています。
これだけの水質基準を守ることは、簡単ではありません。徹底的な管理のもと、私たちの元に安心安全な水が届けられているのです。
世界各国のいい水の基準とは?

ではいい水の基準とは、国によってどのように定められているのでしょうか。各国の水事情を見ていきましょう。
日本
日本のいい水の基準と言っても、いまいちピンと来ないかもしれませんね。それほど私たちが暮らす日本では、水道から安全な水が出てくることが当たり前となっています。
日本のいい水の基準となるのは、まさに高い安全性です。
先述した通り日本では、水道法により厳しい水質基準が設けられています。基準を守るため、約200種類もの検査を定期的に行い、各施設で水の汚れを取ったり消毒をしたりと、徹底的な管理を行っているのです。
また、市販される水にも厚生労働省によるガイドラインが設けられており、ミネラルウォーター類は特定の原水から採水し、ろ過や加熱などの処理が必要です。(ボトルドウォーターと飲料水を除く)
国が定めた基準やガイドラインにより、私たちは安全ないい水を口にできるのですね。
ヨーロッパ
ヨーロッパのいい水の基準は日本と異なり、ミネラル分を一定に保つことが重視されています。
というのもヨーロッパでは昔から温泉水が当たり前のように飲まれており、ミネラルがいかい健康に良いかを実感してきました。そのため安全性を重視して殺菌を行う日本とは違い、ヨーロッパでは採水した水をそのままボトリングしています。
CODEXによるEUのナチュラルミネラルウォーターの基準においても、ミネラル成分や採水時の温度が一定であること、殺菌処理などの一切の加工をしないことなどが定められています。
原水に加工や調整を加えて成分を変えることが、一切禁止されているのです。
代わりにヨーロッパでは一日に何度も品質のチェックをする、厳しい水源の環境基準を定めるなどして安全な天然水を作る努力をしています。
カナダ
大自然に囲まれたカナダは水資源が豊かであり、美味しい水こそがいい基準と言えるでしょう。
日本の水と比べると少し硬めと言われますが、地域によって軟水のところもあれば、硬水のところもあります。旅行に行った際、水の美味しさに感動する人も多いですよね。
バンクーバーやモントリオールなどでは、環境保全も含めペットボトルではなく、水道の水を飲むことを働きかけるほど、美味しい上に安全性も高い特徴があります。
なぜなら政府の方針により、各都市では毎日4~6時間かけて厳しい水質検査をしているからです。世界で見ても、非常にレベルの高い水質と言えます。
ニュージーランド
ニュージーランドは他の国と比べて少し変わった基準が。というのも水道水から出る水に、フッ素が含まれているのです。
フッ素を入れるかどうかは各自治体によって判断されますが、大都市でフッ素が配合されていないのはクライストチャーチだけというほど、多くの自治体で導入をしています。その結果、ニュージランド人は虫歯になる確率が低いと言われるまでに。
虫歯率の低下を目的にフッ素を配合するのは、世界的に見ても珍しいことです。
実は日本でも京都や沖縄などで水道水にフッ素を配合したことがありましたが、今現在はどの都道府県でも中止されています。
ニュージランドでも近年は、健康被害の心配から含有量を減らしたり、配合をやめたりする地域も増えました。自然豊かな国のため水汚染の心配も少ないですから、今後いい水の基準が変わってくるかもしれませんね。
日本と海外の水の違いについて
いい水の基準は各国様々ということがおわかりいただけたと思います。次は、日本と海外の水の違いについて、見てみましょう。
海外では硬水がスタンダード
日本の水道水は沖縄などの一部地域を除き、ほとんどが軟水です。しかしながら海外は、硬水がスタンダードというのをご存知でしたか?
硬度が0~100mg/L未満の日本の水に対して、海外の水は200~400mg/Lと倍以上の硬度であることも多いです。
これだけ硬度の高い水は、口当たりが重く苦みを感じます。日本人が海外で水を飲んだときに違和感を感じるのは、硬度の違いが原因でしょう。
日本と海外の水の値段
海外旅行に行った際、市販された水の高さに驚いた経験はありませんか?実は日本と海外では、水の値段に大きな差があります。
日本で売られる水は、500mlのペットボトルで100~120円くらいが相場ですよね。しかし海外では、日本の2~3倍の値段で水が売られていることも珍しくありません。
そもそも日本では水道水から安全な水が出てきます。そのため水道水が飲めない地域と比べると、市販された水の需要はそれほど高くないと言えます。
しかし水が飲めない国では、市販された水の需要は高く、その分割高となる傾向に。また限られた水源から採水をしたり、輸入された水を販売したりしていることも、価格が高くなる要因です。
もちろん国の物価も関係するため一概には言えず、日本よりも安く水が売られる国もありますが、基本的に日本は水が安く購入できる国と思って良いでしょう。
海外の水を飲むときの注意が必要!
日本人が旅行などで海外を訪れた際、水を飲むのは注意が必要です。というのも、いくら水道水が飲める水といっても、高い安全性が守られているとは限らないからです。
世界的にも水質や安全性が高いと言われるカナダやヨーロッパでさえも、一部地域の水は安全と言えないことがあります。
また先ほど説明した通り、海外は硬水がスタンダードです。そのため軟水に慣れた日本人が硬水をたくさん飲むと、お腹を壊したり下痢をしてしまったりすることも。
海外に行く際は、現地の水事情をしっかり調べることも大切ですが、できればペットボトルの水を買って飲むのが良いでしょう。
日本の水は基準が高く安心安全
世界各国のいい水の基準をご紹介しました。海外の水と比較しても、安全性を重視する日本の水は、水質基準も高く安心安全であることがおわかりいただけたと思います。風味の好みは人それぞれですが、日本の水は徹底した管理をしているため、カルキ臭も少なく飲みやすいですよね。日本では海外から輸入された水も売られていますから、採水地を確認して色々な国の水を飲み比べてみるのも、面白いかもしれません。

